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*平成13年度にて終了しております。
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 来たるべきネットワーク社会においては、インターネットをはじめとして、ほとんどのコンピュータが世界的規模のネットワークに接続できるようになります。 このような世界的ネットワークの時代において電子商取引や文化活動などをグローバルに展開するためには、今までのような単一の言語に個別に対応したコンピュータでは不十分です。
 こうした世界的ネットワークの時代のニーズに応えるためには、複数の言語を配慮したコンピュータ(多言語システム)による情報処理、情報交換が可能になる必要があります。これが、私たちの目指す「多言語情報処理環境」です。



 従来のネットワークは、物理的には世界のネットワークとつながっていますが、言語(文字)による情報を交換するときに、まだまだ多くの問題が発生します。
 複数の言語を扱えるシステムは、ようやく実現されつつあります。
 しかし、対象言語の持つ特異性を考慮したシステム毎の個別対応であるため、同じ言語でもシステム間の情報の互換性がとれない場合が多々あります。
 このようなシステム毎の対応で、さらに複数の言語を扱おうとすると、問題はますます複雑になります。これらの問題を抜本的に解決するためには、これまでのようなシステム毎の個別対応ではなく、多様な言語に対応できるような新たな考え方を検討し、それを標準化する必要があります。
 本プロジェクトでは、情報処理や情報交換を行う上で、入力、出力等の最も言語や文化に依存する部分を切り分け、各言語がもつ文字を処理するでの多様性を最小にする新たな考え方の標準化の提案とその普及を目指しています。



従来のネットワーク

同じ言語でも組み合わせる言語によって実現の仕方が違うので、データの互換性がありません。



世界的ネットワーク

多言語環境を前提として各言語を実現しているので、
自由な組み合わせが出来、データの互換性が保てます。

世界的ネットワークと多言語情報処理環境の変化 ※



 本プロジェクトは、アジア圏における各国文字を考慮した多言語情報処理システムについて入力系、出力系、内部処理系に係わるアーキテクチャ(入力処理(※1)、出力処理(※2))と文字フォント情報交換等(※3)について標準案を作成検討し、国際提案を行なうことを目標としています。
 多言語情報処理の実現は、世界の人々が文化、言語による差別なく平等に情報処理の恩恵(メリット)を享受できるようになることを目的としています。このことは多様な文字、文化が混在するアジア圏においては特に重要です。
 本プロジェクトは、多言語に対応することから国際協力が不可欠であり、関係各国と連携、協力して進めることが重要です。

◆(※1)入力系規格検討ワーキング・グループ
各言語の文字をコンピュータに入力するとき、手書きで用いられている書法をできるだけ尊重することが肝要です。コンピュータの内部処理の都合を入力側に負担させないために、入力操作部と内部操作部の間に、文化依存部分を吸収する入力処理部を設け、そのインタフェースを標準化することを目指しています。

◆(※2)出力系規格検討ワーキング・グループ
今後広く情報処理機器が利用されるようになると、コンピュータの事情にあわせた間に合わせの文字ではなく、活字印刷のような美しい文字を表示できる事が要求されるようになります。この処理と出力の関係はラテン系文字についてはISO/IEC TR 15285に整理されており、これに推奨されている方針で文字コードを統一的に開発すれば文化依存の部分を主に出力部で吸収することが可能になります。種類や文化的依存のまったく異なるアジアの文字に対する「推奨する方針」を提案する事を目標にしています。

◆(※3)フォント規格検討ワーキング・グループ
各国の文字フォントは、それぞれの国でその文字だけを使うことを前提に作られているために、他の国の文字と混在して使うと不都合がおきます。ISO/IEC 9541はこれらの問題を考慮したフォント情報交換のために開発された規格ですが、アジアの文字についての配慮が不十分なために、アジアの文字にこの問題が顕著に発生しています。本プロジェクトでは、ISO/IEC 9541で、アジア各国の文字の移植性(フォントの交換とレンダリング)を反映できるように提案(アジア各国の文字に必要な追加属性とその参考データ)することを目標にしています。


(※3)フォント混在の例



   現在の国際規格において各国が必要としているいわば「不足している文字」の発掘を行い、これらの国際規格への提案を関係各国と共同で行っています。

   本プロジェクトは、言語や文字の要求を収集し、これらの要求を調和のとれた統一的なものにするため、多くの関係国に受け入れられる必要があります。さらにその成果は、国際規格とともに国内規格に反映される必要があります。このため、関係各国との国際共同作業によって、その成果の国際提案を目指します。


◆各国ニーズの把握と問題意識の共有

各国ニーズの把握、発掘は、多言語情報技術標準化国際シンポジウム(MLITシンポジウム)、関係国への調査等で行われます。この調査結果や協議結果は、本シンポジウム等で報告され、関係各国間での問題意識の共有を図っています。


◆国際提案

これらのニーズは、関係国および関心の高い国との共同作業によって、国際提案原案としてまとめられます。原案は上記のシンポジウム等で報告及び議論され、関係各国と協調して、国際提案されます。


   アジア地域で多言語情報処理環境に関する共通認識を深めるため、1997年5月より「多言語情報処理技術標準化国際シンポジウム」を開催しています。主な目的は次のとおりです。

  • GII/GIS実現に向けて必要な多言語情報処理環境を構築するため、アジア地域での広範な関係者間での意見交換と議論を図り、問題意識を共有する。

  • 各国語処理を可能とする多言語情報処理環境の実現に向けた標準化活動の協力関係を構築する。

   第1回は1997年5月にシンガポールにて、第2回は同年11月日本(東京)、第3回は1998年10月ベトナム(ハノイ)にて第4回は1999年10月ミャンマー(ヤンゴン)にて開催しました。

◆過去の参加国・地域
中国、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、香港特別行政区、シンガポール、ラオス、ネパール、モンゴル、ミャンマー、スリランカ、台北、ベトナム、ブルネイ、ニュージーランド、EU、日本



   アジア情報技術標準化フォーラムは、参加各国の政府代表者が意見交換をすることによって情報技術の標準化を推進する目的で、1987年に設立されました。
   以来、AFSITは情報技術標準の国際化やアジア各国の人材交流の拡大に努め、第11回AFSITより、MLITとの共同開催を行いました。




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